ここ数年、砂糖についてのドキュメンタリーがたくさんあって、どれだけ身体に悪いかを伝えているんだけれど、私の職業はペイストリーシェフ。砂糖無しでは過ごせない。以前、日本のレシピブックにあったデザートと作ってみたら、こっちの人達の味覚には到底甘さが足りず、使ってもらえなかった経験もあり。しかも数年前に私自身日本へ帰国してドーナッツを食べてみたら、甘さというか、パンチが足りなくて、味覚も変わるものなのね、、、としみじみ思った事もある。
でも砂糖はタバコ同様に規制すべきとアメリカでは言われている。でも、企業絡みもあってそううまくはいかない。大学などの専門家も企業からの基金で、公にはダメです、とは言えない。
実際、砂糖のカロリーは良質なものとは言えず、すぐに消費してしまい長続きしないエンプティーなもの。だから30分ごとに炭酸飲料を飲み続けてしまう子供達が増えているらしい。シュガーハイで授業がきちんと受けられない子供達。子供の教育に深刻的に関わっている問題。Glucose or Fructoseが代表的な砂糖だと思うけど、実際は様々な呼び方で成分表示に書かれているので、Sugarとだけで探そうとするのは不可能だと思う。人工甘味料はとっても身体に悪いし。あとFat freeと書かれて、脂肪は大敵と思われているけれど、脂肪を除いた食べ物は全く味気ないもので、食べれるものではない。となると、砂糖を大量に使って味を整えている。脂肪も良質なものを選択すれば、そこまでダメと決めつけるものじゃない。どれも良質なものは体内に残って長く燃え続け、パワーを生み出す。でも悪質なものは爆発的に燃え尽きてしまい、すぐに補給しないと私達の脳は満足感を得られないらしい。バックカントリーなどで、オリーブオイルを夜の食事に少し加えるというのは、良質なエネルギーを少しの量で採れるという理由から。体内に残っている時間も長いし、燃え続けるので、体温も維持できる。
昨日見たドキュメンタリーは45日間だったかな、実験のために砂糖を毎日決まった量を取り続ける人の話。体重は8kg増加し、ウエストは10cmも増えた。そして、彼のメンタルも変わっていって、シュガーハイと言われるものを経験する。やる気がなくなったり、でも起きてすぐに甘いジュースを飲むと、ハイテンションになったり。彼の肝臓はすぐに脂肪肝寸前の数値に上昇。この期間、彼は普通に運動したりしてたのに。カロリー計算としては、以前の食事内容と同じカロリーを採ってたのだけれど、一部分を全て砂糖のカロリーに置き換えただけで、数値が全部悪い方へ行ったのが驚いた。
この実験の後、彼は普段の食生活に戻り最初の数日はやる気のなさ、倦怠感など辛かったらしい。でも彼はこれは一時的なものだとわかっていたので乗り切れたと話していた。そして、ウエストや身体の数値は全て元に戻ったらしい。運動は痩せるために特別にした事はなく、ミニマムなものだけだったとかいてあった。
彼にはこのドキュメンタリーの間に女の子がに生まれたのだけれど、この子にはきちんとした食生活をさせて、育てていきたい、と話してた。
将来、ペイストリーシェフはどうなるのかしら。。。。自己責任でデザートを楽しむことのできる人にだけサービスするのかな。。。